『マリア・ブラウンの結婚』
79年ベルリン国際映画祭銀熊賞(クルー)、女優賞(ハンナ・シグラ)
ファスビンダーの代表作。『ブレーメンの自由』と同様、「結婚」が主要なテーマのひとつとなっている。ハンナ・シグラが演じる、逞しくしたたかなヒロインの姿がとにかく圧倒的。
(DVD発売元:紀伊國屋書店)
『13回の新月のある年に』
性転換をして女性となったエルヴィラが、愛を失い、自らの命を絶つまでの最後の日々を描く。ファスビンダーの元恋人の自殺が製作の契機になったとされている。監督、脚本、撮影、編集をファスビンダー自身がつとめた作品。
※精肉工場での屠殺作業を描写したシーンがあります。(DVD発売元:IMAGICA)
『ブレーメンの自由』
演出 :武藤真弓(青年団演出部)
19世紀のブレーメンに実在した女性連続毒殺者をモデルに、結婚制度と女性の自立への問いを独特のミニマルな様式性で、メロドラマとして描き出す。ユーモアのなかにも、ヒロインに対するファスビンダーの愛情と共感が感じられる。
*リーディングパフォーマンスとは。
照明、音響というシンプルな装置のみを用い、俳優の存在感を最大限に活かすことで、ファスビンダーの独特な世界観を表出させます。リーディング(朗読)でありながら、観客の視覚を刺激し、想像力を「解放」することを目的としています。
出演
村田牧子 佐藤誠 天明留理子 永井秀樹 山本雅幸 山口ゆかり
大塚洋 志賀廣太郎 立蔵葉子 今井朋彦(文学座)
スタッフ
照明:伊藤泰行
他
「演劇」を軸にファスビンダーを発見/再発見する
ニュー・ジャーマン・シネマの映画監督として知られ、脚本家や俳優としても活躍したライナー・ヴェルナー・ファスビンダー。
彼は37年という短い生涯で、40本以上の映画、18本もの戯曲を残すという、まさに驚異的なスピードで創作活動を続けた。嵐のようにヨーロッパを席巻したこの過激な作家を、「演劇」という切り口からあらためて発見しようという企画。
作品の上映、リーディングパフォーマンス公演、ゲストを迎えてのトークを通して、ファスビンダーの作劇法、演出、そして、「フィクションにおける『真実』」について思いを巡らす。