平田オリザが過去に他劇団に提供してきた戯曲を、青年団の俳優を起用し、平田自らの演出で、青年団プロジェクト公演として連続公演を行います。
少人数のキャスト、シンプルな舞台装置で、アゴラ劇場の小空間と戯曲、俳優の力量を最大限に生かした舞台をお届けします。

『隣にいても一人』

2000年夏に、北海道帯広市の劇団演研に平田オリザが書き下ろした作品。
（初演の演出は、劇団演研主宰の片寄晴則氏）
長くつきあいのある地域劇団の創立25周年にあたって、劇団員の個性に合わせて書き下ろした作品を、大幅改訂して自ら演出する。
朝起きると何故か夫婦となっていた二人。その二人の、それぞれの兄、姉は、本当の夫婦で離婚の危機を迎えている。 夫婦とは何かを問いかける不条理喜劇。

『ヤルタ会談』

2002年秋、柳家花緑氏のために書き下ろした新作落語を、舞台版に改訂しての上演。
第二次世界大戦の戦後処理を巡って、チャーチル、ルーズベルト、スターリンの三者が、三様の思惑を持って集うヤルタ会談。
30分の三人芝居で、戦後の50年の世界史を描ききる。

『忠臣蔵・修学旅行編』

1999年春に、静岡県で行われたシアターオリンピックスのために書き下ろした『忠臣蔵』（初演は、宮城聰演出による野外劇）を、青年団バージョンとして演出。
2001年より、劇団内で勉強会の題材として繰り返し取り上げてきた同作品を、『忠臣蔵・ＯＬ編』として2003年3月に上演。今回は同じ戯曲を用いて全く異なった演出の『修学旅行編』を上演する。
松の廊下の事件の一報が届いた赤穂藩の混乱ぶりを通じて、日本人の集団における意志決定の過程を克明に描く。