青年団第53回公演
第39回岸田國士戯曲賞受賞作品
『東京ノート』
作・演出:平田オリザ
2007年4月19日(木)- 5月14日(月) 29ステージ
会場:こまばアゴラ劇場
『東京ノート』クアラルンプール公演(KLPAC) 2006.6
1994年初演、1995年第39回岸田國士戯曲賞受賞、
9カ国語に翻訳され、世界各国の演出家による様々な形でのあいつぐ上演、
15カ国にわたる青年団の世界ツアー公演…。
未来に向かって歩み続ける現代日本演劇の代表作『東京ノート』が、こまばアゴラ劇場に帰ってきます。
はじめに
初演から13年、日本現代戯曲の傑作『東京ノート』がこまばアゴラ劇場に帰ってきます。『東京ノート』の第39回岸田國士戯曲賞受賞によって、平田オリザは「小劇場に足を運んだことのない人でさえ知っている」、日本を代表する劇作家となりました。1998年のFIFAワールドカップ・フランス大会関連の演劇企画を通してフランスの演出家フレデリック・フィスバックに見出されたこの作品は、その後、国内各地の主要なホールはもちろんのこと、ヨーロッパ各国や北米ツアー公演、香港、オーストラリア、東南アジアなど、世界15カ国で上演されました。海外公演を行うにあたって、日本の現代戯曲の中では他に類を見ない、9カ国語もの言語に翻訳されていることは、平田オリザの提唱する「現代口語演劇理論」が言葉の壁をこえ、世界各地で受け止められる普遍性を持った芸術様式として大成したことを表しています。
今回の公演は、長く海外を旅した『東京ノート』の軌跡を、日本のファンの皆様に披露する意味も込めて、これまで海外公演で使用した中から8カ国語の字幕をお客様のご要望に応じて日替わりで表示するという、新たな取り組みでもあります。平田オリザ、そして青年団の世界への飛躍を象徴するレパートリー作品として、1ヶ月間に及ぶロングラン公演に挑みます。
『東京ノート』沈黙の帝国
フィスバックと平田に共通するもの、それは間違いなく、沈黙を響かせるこの技量だろう。
・・・・・・・・ 仏「リベラシオン」(2000.2.1)
すれ違う会話の舞台芸術
交わされる会話は独白にすぎない、自分だけに言い聞かせるようなひっそりとした告白だ。
・・・・・・・・ 仏「ル・モンド」(2000.2.17)
日常生活の静かな深遠さを提示
日本の劇作家・平田オリザのダイアローグは、人の細胞を顕微鏡でかいま見るかのように視線を釘付けにする。
・・・・・・・・ 米「ニューヨーク・タイムス」(2000.10.22)
『東京ノート』という作品の、従来の演劇と相違する最大のものは、舞台空間そのものが個有の時間を内包している、という点である。
これまでの演劇の時間が、登場人物の行為によってつむぎ出されていたことと比較すれば、これは画期的なことと言えよう。
・・・・・・・・ 別役実(第39回岸田國士戯曲賞選評/1995.2)
ここに仮想された21世紀はじめの世界は衝撃的だ。
ヨーロッパは戦争状態にあり、難民が流れ込む日本は戦争に加担し、徴兵が実施されようとしている近未来図なのだ。
終末的な世界を封じ込めたこの淡々とした劇世界には異様な緊迫感がある。
・・・・・・・・ 扇田昭彦「朝日新聞」(1994.5.25)
東京ノートについて
『東京ノート』という芝居は、その題名が示す通り、小津安二郎監督の名作『東京物語』が、モチーフになっています。『東京物語』では、年老いた両親の上京の風景が延々と描かれるわけですが、この『東京ノート』では、美術好きの長女の上京を機に、バラバラに暮らしている兄弟が、都下のとある美術館に集まってきます。もちろん彼/彼女らには、それぞれの生活があり、苦しみがありますが、目下、彼/彼女らの共通の関心事は、親の面倒を誰が見るかという事だけです。もう一つの背景として、この作品では、遠く欧州の地で、たいへんな戦争が起こっているようです。しかし、ここに集う人々は、それぞれの問題、それぞれの生活を語るのみで、あたかも世界史の大変動とは無縁にみえます。
演劇が、人間の精神の振幅を描く装置であるとするなら、この作品は、その精神の振幅の、もっとも微細なところを炙りだそうという試みだったのかも知れません。国家間の大きな衝突と、家族という最も小さな集団の葛藤と、その二つの混沌のなかで、静かに揺れ動く何ものかを、見つめていただければ幸いです。
近未来の美術館を舞台にした『東京ノート』は、家族や人間関係の緩やかな崩壊を描いた作品として、90年代演劇を代表する作品として、国内外で高い評価を得ています。
出演 |
山内健司 ひらたよーこ 松田弘子 足立 誠 山村崇子
根本江理子 辻 美奈子 小河原康二 秋山建一 小林 智
川隅奈保子 松井 周 能島瑞穂* 大塚 洋 鈴木智香子
大竹 直 高橋智子* 荻野友里 河村竜也 長野 海 堀 夏子
*=ダブルキャストでの出演となります。下記日程は高橋智子が出演いたします。
4月23日(月)、30日(月)
5月7日(月)、11日(金)~14日(月) |
スタッフ |
舞台美術:杉山 至+鴉屋
照明:岩城 保
字幕操作:西本 彩
衣裳:有賀千鶴
宣伝美術:工藤規雄+村上和子 太田裕子
宣伝写真:佐藤孝仁
宣伝美術スタイリスト:山口友里
制作:西山葉子 |
日時 |
2007年4月19日(木)- 5月14日(月) 29ステージ
4月19日 |
木 |
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19:30 ◎ |
20日 |
金 |
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19:30 ◎ |
21日 |
土 |
15:00 ◎ |
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22日 |
日 |
15:00 ◎★ |
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23日 |
月 |
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19:30 |
24日 |
火 |
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19:30 |
25日 |
水 |
休演日 |
26日 |
木 |
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19:30 |
27日 |
金 |
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20:00 |
28日 |
土 |
15:00 |
19:00 |
29日 |
日 |
15:00 ★ |
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30日 |
月 |
15:00 |
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5月1日 |
火 |
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19:30 |
2日 |
水 |
休演日 |
3日 |
木 |
15:00 |
19:00 |
4日 |
金 |
15:00 |
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5日 |
土 |
15:00 |
19:00 |
6日 |
日 |
15:00 ★ |
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7日 |
月 |
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19:30 |
8日 |
火 |
休演日 |
9日 |
水 |
16:00 |
20:00 |
10日 |
木 |
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19:30 |
11日 |
金 |
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20:00 |
12日 |
土 |
15:00 |
19:00 |
13日 |
日 |
13:00 ★ |
17:00 |
14日 |
月 |
15:00 |
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受付開始は開演の60分前、開場は開演の20分前 追加公演決定!
5月3日(木)19:00~と5月5日(土)19:00~
◎4/19~22=こまばアゴラ劇場支援会員ご招待日
劇場支援会員に関する詳細はWebサイトをご覧ください。
http://www.komaba-agora.com
★の回 託児サービスを承ります。
託児利用料金:0~1歳児2,000円 2歳児以上1,000円
予約・お問い合わせ:イベント託児・マザーズ 0120-788-222
(土・日・祝日を除く10~12時、13~17時)
*各回の1週間前までご予約受付
*但し定員になり次第締め切らせていただきます。
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会場 |
京王井の頭線駒場東大前駅から徒歩3分
東京都目黒区駒場1-11-13 [google map]
tel:03-3467-2743
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料金 |
前売・予約・当日共
一般=3,500円 学生・シニア=2,500円 高校生以下=1,500円
(日時指定・全席自由席・整理番号付き)
*日時指定・全席自由席・整理番号付
*学生・シニア(65歳以上の方)、高校生以下は青年団のみ取り扱いとなります。当日受付にて身分証明書をご提示ください。
*未就学児童のご入場はご遠慮ください。
*芸術地域通貨ARTS(アーツ)でもご観劇いただけます
(1ARTS=1円/ARTSとは、桜美林大学内の演劇施設で施行されている地域通貨です)。 |
チケット 発売日 |
2007年2月10日(土) |
チケット 取り扱い |
青年団 03-3469-9107
オンラインチケット販売
チケットぴあ ※一般のみ取り扱い
http://t.pia.co.jp
0570-02-9999(Pコード:374-702) 0570-02-9988(オペレーター対応)
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お問い合わせ |
青年団 03-3469-9107 |
オンデマンド 字幕付き 上演のご案内 |
Subtitles Available in 8 Languages(Advance reservations required)
青年団ではこれまで世界各地での公演にあたって、言葉の壁を越えて各国のお客様に作品をお楽しみいただ けるよう、独自の字幕システムの開発に努めてまいりました。本公演では、その成果を日本国内に居住する外国人の方々にも還元するため、8カ国語(英語、フランス語、イタリア語、韓国語、中国語、タイ語、マレー語、インドネシア語)の上演字幕を準備いたしました。 公演各回の7日前までに、 >>こちら<<からご希望の字幕言語をお知らせください。
お申し込みを受け付け次第、各国語字幕付きの上演日を当ページにて公開いたします。 ※1回の公演で出せる字幕は、1言語のみとなります。
バンコク公演(Theater of the Faculty of Arts, Chulalongkorn University) 2006.6
表示される字幕表示言語は以下の通りです。(随時更新)
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企画制作:青年団/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
協力:(有)あるく (株)栄光舎 (株)富士通ゼネラル |