『Stepping Stones』ステッピング ストーンズ
演出:ジョン・パルマー(フルボディ・アンド・ザ・ヴォイス芸術監督) Jon Palmer (Artistic Director, Full Body and the Voice)
主人公は小高い丘の向こうにある小さな村に住む、夢見がちな少女テコ。
彼女はある晩、ふいに目を覚まし、不思議な小石「Stepping Stones」に導かれるように旅に出る。
「この小石にはどんな意味があるんだろう、人生ってなんだか不思議なことがいっぱい・・」
春、夏、秋、冬…と移り変わる季節のイメージ、想像力をかき立てる音や音楽、そしてほんの少しの言葉だけで語られる、優しい家族のものがたり。
多様な俳優たちの個性が、瑞々しく、躍動感に満ちた「ことば」を創造する舞台。
原作はイギリスの子ども向けに書かれたファンタジックな作品です。
出演
大西智子(あなざーわーくす) 乙川正純 香村回人 ジョン・パルマー 宮本晶子 山崎阿弥 片岡祐介[音楽]
スタッフ
演出助手:わたなべなおこ(あなざーわーくす)
『血の婚礼』Blood Wedding
スペインを代表する詩人・劇作家ロルカの名作『血の婚礼』をベースに、現代の悲劇を描きます。
母と息子、父と娘、夫と妻による、情欲と裏切り、愛と喪失の叙事詩的なものがたりを、自らも、ろう者であるジェニー・シーレイが、多様な「会話」が混在する独自の手法で演出します。
俳優たちの日本語と英語による対話と語り、日本手話とイギリス手話が融合するまったく新しい演劇様式が、聞こえる観客、聞こえない観客、見えない観客、見える観客のそれぞれを、作品の世界へと誘います。
出演
新井恵二 尾崎彰雄 酒井 郁 ジェニー・ドレイパー 髙橋美貴(あなざーわーくす)
原田紀行(reset-N) 廣川麻子(日本ろう者劇団)福角幸子 米内山陽子(トリコ劇場)
スタッフ
演出助手:柏木 陽(NPO法人演劇百貨店)
原作翻訳:広田敦郎
ジョン・パルマー (フルボディ・アンド・ザ・ヴォイス芸術監督)
Jon Palmer (Artistic Director, Full Body and the Voice)
約10年の俳優活動を経て、1992年、知的障害のある子ども向けの劇団インタープレイ・シアター・カンパニーの芸術監督に就任。シェイクスピアの『テンペスト』を題材にした『Sea Changes』や、英国作家協会最優秀児童演劇賞を受けた『Stepping Stones』などの作品を演出。この時期から”インクルーシブ・シアター”の第一人者としても評価が高まる。
1998年、フルボディ・アンド・ザ・ヴォイスの芸術監督に就任。以後、全作品を演出。フランスやポルトガルでの海外ツアーも果たすと同時に、トレーニングプログラムやアウトリーチ活動を展開。知的障害のあるアーティストが自身の創作手段を探求できる機会を創ってきた。
フルボディ・アンド・ザ・ヴォイスはイギリス・ヨークシャー地方のハダスフィールドにあるローレンス・バトレイ劇場のレジデント・カンパニーで、知的障害のある俳優がプロとして所属している。
ジェニー・シーレイ(グレイアイ・シアター・カンパニー芸術監督)
Jenny Sealey (Artistic Director, Graeae Theatre Company)
グレイアイ・シアター・カンパニーでろう者の俳優として8年間活動。その後、インタープレイ・シアター・カンパニーで演出を学ぶ。
1997年、芸術監督としてグレイアイ・シアター・カンパニーに戻り、高い芸術性とアクセシビリティの両方を追求するポリシーを掲げ、創作活動を開始。以後、全作品を演出。
代表的な演出作品として、ギリシア悲劇『トロイアの女』をベースにした『Peeling』、マーティン・シャーマンの『Bent』、サラ・ケインの『Blasted』が挙げられる。特に『Blasted』は、2006年のイギリス国内ツアーの後、2007年1月のロンドン公演のチケットがほぼ完売となり、批評家からも高い評価を得た。
グレイアイ・シアター・カンパニーは、ロンドンに拠点を持つ、身体障害のあるプロのアーティストによる劇団。その先駆的な活動は、イギリスのみならず、ヨーロッパにおいても高い評価を得ている。
飛び石プロジェクトとは
障害のあるプロのアーティストによるイギリスの劇団「フルボディ・アンド・ザ・ヴォイス」と「グレイアイ・シアター・カンパニー」。ヨーロッパでも評価の高い二つの劇団の演出家を、日本に繰り返し(飛び石を置いていくように)招聘し、全国各地のワークショップで出会った、さまざまな人たちとの交流を通して作品創りを行うコラボレーション企画、それが「飛び石プロジェクト」です。 二人の演出家は2006年春から交互に来日を重ね、作品創作を前提に、ワークショップ参加者の中から、今回のキャストを選出しました。この新しい出会いと発見から創出された作品を二本立てで公演します。 俳優陣には、聞こえない人、見えない人、車いすの人、知的障害のある人も、また、そうでない人も含まれています。かれらがさまざまな表現手段を組み合わせ創り上げた、これまでの演劇の常識を揺さぶる、まったく新しい作品を、ぜひご覧ください。
飛び石プロジェクトは、明治安田生命社会貢献プログラム「エイブルアート・オンステージ」の事業の一環として実施しています。(有)アゴラ企画/青年団は本公演の制作業務を担当しています。