人間にとって、ロボットにとって、『生』とは、そして『死』とは……
"ロボット/人間"のイメージを一新し、演劇×科学の融合の臨界点を示す、衝撃の短編作品。
「現代口語演劇理論」に基づき、緻密な劇世界を織り上げる演劇界の旗手・平田オリザと、自分そっくりに、精密にコピーしたロボット「ジェミノイド」で知られるロボット研究の第一人者・石黒浩。世界的に活躍する2人の才能がタッグを組み、大阪大学で進めている「ロボット演劇プロジェクト」が、フェスティバル/トーキョーに登場。
初の東京公演となる今回は、ロボット演劇プロジェクトの最新作、アンドロイド演劇『さようなら』を上演。
石黒浩研究室(大阪大学&ATRロボティクス研究所)が今年開発したアンドロイド「ジェミノイドF」と人間俳優が共演する。
アンドロイドと人間の関わりの中に「人間とロボットの境界とは」、「人間にとって、ロボットにとって、『生』とは、そして『死』とは…」を鋭く問う、衝撃の短編作品。
平田オリザ
1962年東京都生まれ。劇作家・演出家・こまばアゴラ劇場芸術監督・劇団「青年団」主宰・大阪大学コミュニケーションデザイン・センター教授・内閣官房参与。1982年に劇団「青年団」結成。「現代口語演劇理論」を提唱し、1990年代以降の演劇に大きな影響を与える。1995年『東京ノート』で第39回岸田國士戯曲賞受賞。2003年日韓合同公演『その河をこえて、五月』で、第2回朝日舞台芸術賞グランプリ受賞。2006年モンブラン国際文化賞受賞。近年はフランス・ベルギー・中国など各国との国際共同製作作品を多数上演している。
石黒浩
1963年滋賀県生まれ。大阪大学大学院工学研究科知能・機能創成工学専攻知能ロボット学研究室教授。工学博士。社会で活動できる知的システムを持ったロボットの実現を目指し、これまでにヒューマノイドやアンドロイド、自身のコピーロボットであるジェミノイドなど多数のロボットを開発。ロボカップ世界大会では5度の優勝(TeamOSAKA)。「世界の生きている天才」ランキング(英Synectics/2007年)では日本人最上位の26位選出、「世界が尊敬する日本人100人」(ニューズウィーク日本版/2009年)に選出など、最先端のロボット研究者として世界的に注目されている。
平田オリザ+石黒浩研究室(大阪大学&ATR知能ロボティクス研究所)
人間と共生するロボットの研究開発に演劇を活用し、平田オリザ、石黒浩が共同で進めている研究プロジェクト。2008年11月、大阪大学で20分の短編作品『働く私』を上演。2010年あいちトリエンナーレオープニング公演としてロボット版『森の奥』を上演。創作・上演のプロセスがそのまま研究分野にフィードバックされ、公演全体が「演劇」と「科学」を横断する先端的な「実験」となる、画期的なコラボレーションを行う。