台北から一時帰国して利賀村に来ています。昨日から、アジア演出家フェスティバルが始まりました。
さて、いきなり訂正です。
城崎国際アートセンターは、今年で四年目でした。私が正式に芸術監督に就任してから三年目です。申し訳ありませんでした。
連載の続きの前に宣伝です。先日の日記の中でも登場する藻谷浩介さんとの連続対談が、いよいよ本になって出版されます。豊岡市の他、私がお手伝いをしている岡山県の奈義町のことなども触れられています。是非、ご覧ください。
以前、新聞連載にも書いたように、たまたま、ももクロのことも触れていますが、これはほんの少しなので、モノノフの方は、それだけを目的に買って読むほどのことはありません。図書館などで注文をしていただけるとさいわいです。
では、連載の続きです。
2.私個人のこと
私自身、作家として、演出家劇作家として、常によりよい創作環境を求めてきました。地方移転は、その選択肢の一つでしたが、最大の懸念事項は、一緒に暮らしていた母のことでした。昨年来、豊岡移転が現実味を帯びる中でも、八十代半ばの母が住み慣れた東京を離れて豊岡に一緒に行けるのかを悩んでいました。残念ながら、母は昨年11月に亡くなり、このことが私の中で豊岡移転への決意を加速させたことは否めません。
私自身は、現在、一年の四分の一を海外で過ごし、三分の一を東京以外の場所で過ごしています。特に今年度からは、本務校を大阪大学に戻し、大阪大学COデザインセンター特任教授として勤務していますので、その他の仕事も含めて、週の大半を関西で過ごしています。東京にいるのは稽古の時だけなので、私だけのことを考えれば豊岡に移った方が移動距離が少なくなり合理的です。
日記にあるように激しい移動を繰り返していますので、もうどこに住んでいてもあまり変わらないという感覚です。現に今回も、台北から直接富山空港に入り、金曜日に小松空港から台北に戻ります。東京には寄りません。
欧州での仕事の場合には長期滞在になりますので、豊岡から関空や羽田を経由しても、大きな差にはなりません。アジアでの仕事の場合は頻繁に往復することになりますが、こちらはLCCなどの発達で、地方空港に直接行くことができ、これもハンデにはなりません。
豊岡に滞在中に、但馬空港から朝の飛行機で伊丹に行って阪大で授業を行い、夕方の便で豊岡に戻ったことも何度かあります。下の日記にも出てきますが、宝塚市に長期滞在し、午前中にモデル授業を行い、午後にJRで豊岡に往復して会議に出席したことも何度かあります。東京にいてはできないことです。
もちろん原稿はメールで出稿できますし、最近は大学の会議もスカイプで陪席を許可していただいています。
というわけで、私個人としては、東京にいなければならない理由が、まったくなくなってしまったというのが実情です。
日記の続き
2月17日(金) 早朝の便で岡山県奈義町へ。一日会議。
18日 午前中打ち合わせ二件。午後、同志社大学で日本国際教養学会基調講演。そのまま博多へ
19日 九州大学でワークショップと講義。関西に戻る
20日 午前中宝塚の小学校でモデル授業。阪大打ち合わせ。夕方から追手門学院高校表現コミュニケーションコースで授業。
21日 この日も午前中は宝塚で授業。宝塚市と打ち合わせ。夕方から追手門で授業。いしいみちこ先生たちと飲み会。帰りに茨木駅のホームで砂連尾さんと会う。
22日 宝塚でのモデル授業三日目。午後、アトリエB1の理事会。豊中市で講演会と市長と対談。
23日 宝塚モデル授業四日目。午後、豊岡に往復して会議に出席。
24日 この日も午前中モデル授業、午後は豊岡往復で会議。
25日 朝、香川県坂出市に移動。ワークショップと講演会。そして夜は、アンドロイド演劇『さようなら』の上演とトーク。みんなで飲み会。
26日 『さようなら』上演とトーク。そのまま豊岡市へ。
27日 午前中、市職員対象のワークショップ。午後の便で帰京して岸田國士戯曲賞の審査会。
28日 飛行機で福岡へ。佐賀に移動して打ち合わせ二件。そのあと佐賀大学でワークショップと講演会。ロボットを使ったコミュニケーション教育を世界初公開。夜は懇親会。
3月1日午前中は佐賀大学で引き続き講演会。飛行機で帰京して無隣館演出部試験の続き。
2日 午前中、富士見市の小学校でモデル授業。午後スタッフミーティング。夕方から『南島俘虜記』の稽古。23時から無隣館演出部面接。
3日 この日も午前中は富士見市でも出る授業。そのまま大宮に出て新幹線で仙台へ。東北学院大学で講演会。懇親会を中座して終電で帰京。
4日 この日は、東京で豊岡市主催の演劇ワークショップ。豊岡市の教育プログラムをアピール。他に、稽古、面接、ミーティングなど。
5日 飛行機で大阪へ。阪大リーディング大学院選抜試験。
6日 この日もリーディング大学院選抜試験。今年の問題は、医者のインフォームドコンセントについて対話劇を創るというもの。
7日 阪大出勤後、新大阪から広島へ。比治山大学でワークショップと講演会。飛行機で帰京。
8日 無隣館演出部試験の続きと『南島俘虜記』の稽古
9日 朝日新聞取材、『南島俘虜記』稽古。母の遺骨を納骨。夜、ICUで会食。
10日 羽田でいわき民報の取材。飛行機で女満別へ。車で置戸町へ。夜講演会ととびきりおいしい懇親会。
11日 午前中、ワークショップ。午後、女満別空港から新千歳空港へ道内を飛行機で移動。千歳市で、この日も北海道の味を満喫の懇親会。
12日 午前中、千歳市で高校生対象ワークショップ、午後講演会。飛行機で帰京。アゴラに帰って深夜まで『南島俘虜記』稽古。